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2009年11月19日

モータースポーツ&電動レーシングカート バッテリー仕様値について3

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先述したように、「時間率」で算出した電流より少ない電流でバッテリーを使用した場合、バッテリーを使い切るまでの時間が延びます。

例えば、5時間率で100Ahのバッテリーでは、20Aの負荷を接続しておくと5時間使用できることになります(電流容量100Ah=20A×5h)。

このバッテリーに、半分の負荷となる10Aの負荷を接続すると10時間使用できる計算ができます(電流容量100Ah=10A×10h)。

ところが実際は、この計算以上の時間までバッテリーを使用できる場合が多いのです。

最近話題に上げた中国製シリコンバッテリー・グリーンセイバー(GREENSAVER)を例に挙げて紹介します。

以下はカタログに記載されていたデータです。容量Ahは4種類の時間率でスペックが記されていることがわかります。

サンプル:グリーンセイバー
型番号 電圧 充電電圧 容量Ah(時間率)  寸法    重量 充電電流
        (14.8〜)  2h 5h 10h 20H L W H      推奨値
SP 6-12 12V  15V    6  7  8  8.5  151 65 94  2.7 2A〜3A
SP10-12 12V  15V   10 11 12 13   151 98 95  4.2 2A〜3A
SP12-12 12V  15V   12  - 15  -   151 98 97  4.8 2A〜3A
SP20-12 12V  15V   20 21 22 24   181 76.5 170 7.1 3A〜5A
SP27-12 12V  15V   27 32 36 38 196 131 159 10.7 5A〜8A
SP36-12 12V  15V   36 42 46 48 217 179 191 15.7 5A〜8A
SP68-12 12V  15V   68 72 76 80 259 168 210 26.5 5A〜8A

経験的に皆さんも感じていらっしゃると思いますが、バッテリーが保持する「総エネルギー」を把握することは非常に難しいんです。

簡易的に比較するには、「見かけのエネルギーE」を考慮するのが手っ取り早いと思います。

そこで、上記のグリーンセイバーSP20-12を例にとって、バッテリーが保持している「見かけのエネルギーE」を比較してみましょう。

時間率ごとに計算してみます。

時間率 電流容量Ah 仕事率W       見かけのエネルギーkJ

2時間 10.0A(20Ah) 120.0W(12V×10.0A) エネルギーE=864kJ(120.0W×{2h×3600}s)

5時間 4.2A(21Ah) 50.4W(12V× 4.2A) エネルギーE=907.2kJ(50.4W×{5h×3600}s)

10時間 2.2A(22Ah) 26.4W(12V× 2.2A) エネルギーE=950.4kJ(26.4W×{10h×3600}s)

20時間 1.2A(24Ah ) 14.4W(12V× 1.2A) エネルギーE=1036.8kJ(14.4W×{20h×3600}s)

    なお、W(仕事率J/s)であり、E=W×時間(s)。

    ついでに言うと、1ps(馬力)≒735.5 W。

以上の結果を見てください。

電流の取り出し方(時間率の違い)で、見かけのエネルギーEは変わってしまうことが判ります。

すなわち、バッテリーは少量の電流を取り出す方が見かけのエネルギーEを多く出来るんです。

逆に言えば、一気に大電流を取り出すと見かけのエネルギーEが少なくなるわけです。

簡単にまとめると、バッテリーは「大電流を短時間で放電させるより、小電流を長時間かけて放電する方が長持ちする」ということなんですね。

ただし、このバッテリーで見ると、2時間と20時間で時間比10倍に対し、見かけのエネルギーは1.2倍程度にしかならないということも感覚的に覚えておくと良いでしょう。


以前、本サイトで紹介した電動ポケバイに上記グリーンセイバーSP20-12を使用したとしましょう。

カレントプローブで得られた実測電流値は

 起動時:24A

 走行中:24A

でした。

この結果から、走行可能時間(期待値)tが計算できます。

実測電流値が大きいですから、2時間率のデータを使いましょう。

起動時も走行中も同じ電流値なので24Aとします。

簡易計算なので、電圧降下は無視して12Vとします。

これらをもとに計算すると、

 走行可能時間(期待値)t=50分=E/W=864kJ/(12V×24A)

となります。

実際にはフルスロットル時間や路面抵抗(登坂、転がり抵抗、等)などが異なってきますので、安全率の取り方で1/2、1/3、・・・と、走行時間を見積もることになります。

ちなみに、電動ポケバイを持ち上げて後輪を空転させたままだと、

 後輪空転時:2.2A

でした。

この場合、10時間率の電流容量2.2Ahがそのまま使えますから、計算上は10時間タイヤを回し続けることが期待できることになります。

ここで注意したいのは、大電流を短時間で消費するようなレーシング・セッティングの場合は、バッテリーが持つ「見かけのエネルギーE」をどんどん少なくして使う可能性が高くなる…という点です。

モーター出力が大きく、フルスロットル時間が長い。

この場合はバッテリー交換のサイクルがどんどん短くなるということです。

なお、バッテリーのこのような「見かけのエネルギーE」の変化は、バッテリーの化学反応の速度、電極劣化などが起因しており、モーター出力だけでなく、外気温などの環境条件、バッテリーの新鮮度、等からも影響を受けます。

ポイントとして覚えておくと良いでしょう。


posted by papacchi at 19:12| Comment(0) | 4.電動レーシングカート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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